« 2008年2月 | トップページ | 2008年6月 »

2008年3月

2008年3月31日 (月)

柔中の剛 アジャストの秘訣

  カイロプラクティックの特徴的手技の一つに、高速の関節調整があります。これは、カイロプラクティック界においては通常、スラスト(thrust)と呼ばれているものであり、マニュアルメディスン(徒手医学)においては高速低振幅テクニックとも呼ばれていますが、これを行う際の一つのコツを今日は、紹介しておきます。
   一言で言えば、「患者と柔らかく接触し、スラストの瞬間だけからだを剛体にする」ということです。スラストを行うためのセットアップの手順、力の方向などは、教科書に記載されていますが、最も大切なスラストの瞬間のからだの使い方については、どの本にも書かれていないように思います。
  施術者は最後の瞬間までは、呼吸をとめずにゆっくりと呼吸をすることで、自分も相手もリラックスします。そして、相手の呼吸の変化の瞬間(呼気から吸気の変わり目あるいは吸気から呼気の変わり目)に、瞬間的に、からだを引き締め剛体として、調整部位に高速(ただし深さはコントロールされた)のインパクトを与えます。つまり無用な力を抜いてからだの中心(おなか)で患者の姿位を保持し、スラストの瞬間だけ、からだの中心からの力を手に伝達させるためにからだを剛体にするということです。歌舞伎の「見栄を切る」動作など、瞬間的な動きをする芸事やスポーツにも通じる原理だと私は思っています。
  柔のみでは、必要な力が伝わらず、剛のみでは、余計な影響を与え、剛から柔では、無意味な作業となります。柔から発せられる剛がもっとも効率良く力を伝えることができるということです。
 人生も柔中に剛ありとなりたいと思う私です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月18日 (火)

落語家はすごい!

人から聞いた話ですが、立川志の輔の落語に、こんな小話ものがあるそうです。要旨はこんな感じです。
患者「先生、左足が痛いのですが」
医師「レントゲンを撮ってみましょう」
医師「骨折も癌もばい菌も入っていないから大丈夫です。 歳のせいでしょう。」
患者「そんなはずあるわけありません、右足も同じ歳ですから」
すばらしい洞察力です、うなってしまいます。
 よく病院で、「歳だからしょうがないね」 とお医者さんに言われている方で、片側だけ痛い方はこの小話に感心してください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月17日 (月)

久しぶりです

ここしばらく、ブログもコラムもさぼってましたが、一昨日、母校である日本カイロプラクティックカレッジの卒業式&謝恩会&閉校を惜しむ会に出席して、思うところがあったので久々に書きます。これは、このブログを見ているかもしれない教え子や後輩達へのメッセージです。

   カイロプラクターというカイロプラクティックのプロフェッショナルは、自分の専門において、たゆまぬ努力をするのは、当然であり、一般人でもできるような安易なハウツーを、色々覚えてその数が増えたことで、自分が進歩したなどと思ってはいけません。世の中には、様々な健康法も治療法がありますが、それを覚えるための遍歴をすることは、結局は遠回りになります。

  とにかく最初は、触診をすることです。触診とは、カイロプラクターにとって最も重要な情報収集法であり、最も大切な検査法です。 私がここで言っている触診とは、背骨のどこがどういう方向にずれている、動かないとかを判断をするための触診に限局した話ではありません。関節を動かし、また組織に触り・押し・すべらし・ずらしながら触診していくなかで皮膚を介して表層から深部までの質感を感じ、組織になにが起きているのかを感じ・考え、深部にある組織・器官の形態を思い浮かべ、深部にある器官に異常があるとすれば、その器官の働きを考え、その器官に異常がある場合に生じる症状を思い出し、そのような症状の生じる機序を考えるという一連の感じて思考する作業全般をさしています。そしてこの作業の中で明らかになった、技術的未熟さ、あるいは知識不足を認識し、その部分をごまかさずに修正する作業を延々と続けることが、プロフェッショナルの本道です。そのために、カイロプラクティックカレッジでは、解剖学、生理学、病理学、内科学などを学んだのです。この作業をしなければ、ただの知識であり、やがて忘れていくでしょうし、そのうちただのbone adjusterになっていくでしょう。
 
   最近、このブログでは、EFTとか気内臓療法とかさまざまなカイロプラクティックと異なる治療法や不思議な現象などを紹介したため、誤解が生じている可能性を危惧してあえて、このような文を書いています。かつて講師であった私が、色々なことをしているのを見聞きして、はじめからそういうものに手を出すひとがいるとしたら大きな誤りですし、その誤りを作り出すきっかけに私がなっているとしたら、修正する必要があると感じて書いています。地道な努力の必要な訓練を避けて、御手軽なハウツーを身につけることに時間を費やすことは、結局はプロフェッショナルにはなれない道です。安易なハウツーで変えられるほど、ヒトは安っぽい存在ではありません。カイロプラクターならまずはカイロプラクティックの真髄を極めようとするのが本道です、それは感性と知性を統合した触診能力が基本になくてはいけません。そしてそのような訓練をしたプロの行為は、同じ名称の治療法をしても深さが違ってくることになります。その深さは、触診の訓練なしにはけっして到達できません。
 以上は、あくまでの、教え子達へのメッセージでした。けっしてその他のカイロプラクターやその他の治療法をする方々へ、なんらかの批判の思いがあって書いたことではないことをお断りしておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年2月 | トップページ | 2008年6月 »