柔中の剛 アジャストの秘訣
カイロプラクティックの特徴的手技の一つに、高速の関節調整があります。これは、カイロプラクティック界においては通常、スラスト(thrust)と呼ばれているものであり、マニュアルメディスン(徒手医学)においては高速低振幅テクニックとも呼ばれていますが、これを行う際の一つのコツを今日は、紹介しておきます。
一言で言えば、「患者と柔らかく接触し、スラストの瞬間だけからだを剛体にする」ということです。スラストを行うためのセットアップの手順、力の方向などは、教科書に記載されていますが、最も大切なスラストの瞬間のからだの使い方については、どの本にも書かれていないように思います。
施術者は最後の瞬間までは、呼吸をとめずにゆっくりと呼吸をすることで、自分も相手もリラックスします。そして、相手の呼吸の変化の瞬間(呼気から吸気の変わり目あるいは吸気から呼気の変わり目)に、瞬間的に、からだを引き締め剛体として、調整部位に高速(ただし深さはコントロールされた)のインパクトを与えます。つまり無用な力を抜いてからだの中心(おなか)で患者の姿位を保持し、スラストの瞬間だけ、からだの中心からの力を手に伝達させるためにからだを剛体にするということです。歌舞伎の「見栄を切る」動作など、瞬間的な動きをする芸事やスポーツにも通じる原理だと私は思っています。
柔のみでは、必要な力が伝わらず、剛のみでは、余計な影響を与え、剛から柔では、無意味な作業となります。柔から発せられる剛がもっとも効率良く力を伝えることができるということです。
人生も柔中に剛ありとなりたいと思う私です。
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